2023年10月19日
神奈川県の商店街に対して行っております「神奈川県商店街実態調査報告書令和5年度版)がまとまりました。
神奈川県内の商店街の実態を調査するものとして毎年実施、今年は5年の一度の全数調査として県内の359の商店街から回答を集め、景況感や神奈川県商店街活性化条例に関する意識調査を行いました。
多くの商店街から、生の声を集めています。
[アンケート調査対象:765、回収359(回収率 46.9%)]
以下、報告書から一部抜粋して紹介します。
◆景況感は5年前の調査と比べて改善するも、49.0%が停滞や衰退していると回答
・本年度調査(令和5年度)における景況感をみると、景況感が厳しい商店街が49.0%と、前回調査61.8%(平成30年度)よりも改善しているものの依然として高く厳しい状況が続いています。景況感が厳しいという商店街の比率は減少していますが、コロナ禍の状況が本年度調査の回答に影響を与えたことも考えられるため、留意する必要があります。
◆今後の活性化の見通しについては、48.2%が悲観的
・今後の活性化の見通しは悲観的見通しが48.2%で、楽観的見通しを25.1ポイント上回り、コロナ禍が落ち着いてきた現在でも今後の活性化の見通しを楽観視できない商店街が多い状況です。
・地区別では湘南地区(57.8%)と県央地区(56.0%)の2地区が県全体平均よりも今後の活性化について悲観的見通しが高くなっています。
◆コロナ禍前と比較して依然として約6割の商店街で人出が減少
・コロナ禍の前後で普段の人出が減少した商店街は全体の58.5%と、約6割の商店街でコロナ禍の影響が残っています。うち3割以上減少した商店街は全体の24.5%と約4分の1を占めており、コロナ禍の影響は依然として大きく残っています。
・地区別では「県西地区」(68.4%)、湘南地区(64.0%)、横浜地区(63.2%)の3地区が県全体よりも人出が減少した商店街の比率が高くなっています。
・またコロナ禍により人出が減少した商店街は、景況感及び今後の活性化についても悲観的な見通しとなる傾向があります。
◆商店街への加入率の全体の平均は87.1%
・今年度調査では、商店街らしい外観の商業集積地であり範囲が明確である、かつ全員参加型である商店街を抽出し、加入率を算出しましたが、加入率の平均は87.1%でした。
・業態ごとにみると、大型店の加入率の平均は90.5%、チェーン店の加入率の平均は80.3%、一般店の加入率の平均は87.9%でした。
◆未加入店への加入依頼は年間1回以上行うが51.8%、店舗開店時に依頼することが最も多い
・未加入店への加入依頼に関しては、全体の51.8%の商店街が未加入店に対して、年間1回以上加入依頼をしています。
・加入依頼回数は年間1回が39.2%と多く、年間3回以下が69.8%と約7割を占めています。
・加入依頼は「開店時に依頼する」が55.9%と最も多くなっています。
・未加入店が加入しない主な理由は「メリットがない」が49.9%、「会費を払いたくない」が47.1%で、この2つの理由が他の理由の2倍以上の回答割合を占めていました。
◆半数近くの商店街で大型店やチェーン店と連携した活動を実施
・大型店やチェーン店と商店街の連携している活動は、「大型店やチェーン店が、商店街のイベントに出店」(10.6%)、「共同チラシ等、広報活動で協力」(10.0%)、「大売り出し等の販促セールや集客イベントの共同開催」(10.0%)など、半数近くの商店街で何らかの形で行われています。
◆商店街に設置のハード施設は、街路灯が71.9%と最も多いが比率は減少
・商店街で最も設置しているハード施設は街路灯(71.9%)ですが、その比率は前回調査(平成30年度)81.5%よりも10ポイント近く減少しています。次いで防犯カメラの43.5%となっています。
◆会費等収入は8割弱の商店街で縮小、収入縮小の対策は「コストを削減する」が約6割
・会費等の収入は全体の78.0%の商店街で縮小しています。また、そのうち20.3%と、2割の商店街が運営に支障をきたし始めています。
・収入縮小の対策は、「コストを削減する」が58.9%と全体の6割近くを占めています。
・商店街の収入は「会費以外にない」と回答した商店街が62.7%と全体の6割以上を占めています。
・会費以外の収入の主なものとして駐車場収入や商店街でのイベント等による収入がありました。
★この調査の詳細については、以下、PDFファイルにて掲載しております。
「令和5年度 商店街実態調査報告書 概要版」
PDFファイル(全8ページ)
「令和5年度 商店街実態調査報告書」
PDFファイル(全44ページ)