2017年6月12日
(神奈川県環境農政局環境部大気水質課からのお知らせです)
建築物の内外装仕上げに用いられる建築要仕上塗材(以下「仕上塗材」という。)には、石綿を含有するものがあります。これらの石綿含有仕上塗材は建築物等への使用時には石綿の飛散の可能性は小さいと考えられますが、建築物等の解体・改造・補修工事において石綿含有仕上塗材を除去・補修(以下「除去等」という。)する際には、破断せずに除去等を行うことが困難であるため、除去等の工法によっては、石綿が飛散する可能性が指摘されています。このため、除去等の工法に応じた適切な飛散防止措置を講ずる必要があります。
このたび、環境省水・大気環境局大気環境課長より、標記について通知がありましたのでお知らせいたします。
1 石綿含有仕上塗材に係る大気汚染防止法上の取扱いは、次のとおりです。
○ 吹付け工法により施工されたことが明らかな場合には、大気汚染防止法施行令第3条の3第1号の「吹付け石綿」に該当するものとして取扱う。このため、石綿含有仕上塗材に係る建築物等の解体・改造・補修に際しては、特定粉じん排出等作業の実施の届出、作業基準の遵守等が必要となる。
○ 吹付け工法により施工されたかどうかが明らかでない場合には、石綿含有仕上塗材を「吹付け石綿」とみなして、特定粉じん排出等作業の実施の届出及び作業基準の遵守等が必要となる。
○ 吹付け以外の工法(ローラー塗り等)で施工されたことが明らかな場合には、特定粉じん排出等作業の実施の届出は不要だが、適切な飛散防止措置を講じること。
2「吹付け石綿」とされた石綿含有仕上塗材の除去等に際しては、大気汚染防止法施行規則別表第七第一の項下欄イ~チの事項を遵守し除去等を行うか、それらと同等以上の効果を有する措置を講じる必要があります。「同等以上の効果を有する措置」については、次の事項を参考にしてください。
【同等以上の効果を有する措置について】
○ 「同等以上の効果を有する措置」と判断する目安とすることができるものとして、次の工法があります。
・集じん装置併用手工具ケレン工法
・集じん装置付き高圧水洗工法(15MPa以下、30~50MPa程度)
・集じん装置付き超高圧水洗工法
・超音波ケレン工法
・剥離材併用手工具ケレン工法
・剥離材併用高圧水洗工法
・剥離材併用超高圧水洗工法
・剥離材併用超音波ケレン工法
・集じん装置付きディスクグラインダーケレン工法
※今後、「同等以上の効果を有する措置」として判断できる新しい処理方法が開発される可能性があります。
○ 上記工法を「同等以上の効果を有する措置」として適切に実施し、粉じん飛散を防止するためには、装置の使用方法、剥離材の適用の可否等に精通している必要があります。また、水滴飛沫などの汚れを防止するためにプラスチックシート等による養生等も必要となります。
○ 集じん機付きの工法では、入隅部等(窓、柱型、軒先部分など)の除去ができないため、補助的に他の工法を併用する場合があり、その場合は、全部又は部分的な隔離養生の必要性も含めて飛散防止対策の検討が必要です。
○ 水を使って除去する工事の場合は、未処理の廃液が流出・地下浸透しないようすべて回収する必要があり、回収した廃水は、適切に処理した上で放流する必要があります。