──毎日食べても飽きない洋菓子を。横浜のギフトにも──

　十日市場近郊の閑静な住宅地と団地に囲まれた霧が丘商店会に、小さな洋菓子店「Cake Shop そら」がある。約15店の商店会は表通りから場所が分かりにくく苦戦中だ。だが若い経営者の店も多く、そこには心地よい空間が広がっている。
　そらの店頭には生ケーキやプリンを中心に、クロワッサンなどのパンも並んでいる。焼き菓子コーナーも充実している。スイートポテトの「霧が丘ポテト」に、ガトーブランシュ「よこはま青い空」などは、横浜のギフトとしても人気の商品である。
　「やはり店の工房で作っているので、鮮度が違います」とオーナーシェフの桜井浩和さん。「店内で作って出来立てのものを並べています」例えばシュービスケットも注文後にクリームを詰める。出来立てが美味しさに直結するからだ。
　今やコンビニで手軽にスイーツを購入できる時代だ。「材料の違いなど、きちんと商品の良さを伝えていかないと」と桜井さん。気を付けていることは「なるべくスタンダードな味につくること」である。地域の人たちに毎日食べてもらえるよう、デイリーな菓子パンにも力を入れている。
　目立つ商品は客に注目される。しかし敢えてそれを狙わない桜井さんの菓子には、本物の味が宿っている。

「かながわ商店街新聞平成26年10月号より」