──こだわりの鮮魚店が、飲食店もオープン──

　JR湯河原駅から商店街の中を5分ほど歩くと、真新しい飲食スペースが併設された鮮魚店に着く。創業70年余の「松井魚店」と昨年11月にオープンしたばかりの飲食店「まつい」である。鮮魚店は鮮魚とお惣菜を売り、飲食店はランチだけの営業で、季節の魚料理を盛り込んだ「よくばり弁当」などが好評だ。
　「お客様にはいつも魚の調理法を教えてたんだけど、なかなか難しいみたいで。それならここで食べてもらおうと思って」と、松井寿文社長は苦笑いしながら「まつい」開業の動機を話す。女将のさとみさんが料理を担当し、娘の恵梨香さんがスイーツ。現在町議会議員を務める息子の一寿さんは事務業務を手伝う。家族4人で分担して2つのお店を運営している。
　「当店は朝どれの魚や、地元で採れた珍しい魚を中心に扱っているので、味には自信があります」と、寿文社長が話す通り、開業から数か月で観光客や地元のお客などが来店し、じわじわと口コミで人気が広がっている。
　「よくばり弁当」もその日に内容を決めるという、魚のプロだからできるメニューだ。自分がやってみたいから始めたと話す寿文社長は、確かな手応えを感じつつ、2つの店を両立させていきたいと話していた。

「かながわ商店街・おみせ新聞平成30年4月号より」