──本場ドイツで認められた、味わい深いハムやソーセージ──

　パリッとし過ぎない優しい歯ごたえ。保存料を使わず塩などシンプルな調味料で作られたソーセージは深い味わいを生み出している。
　伊勢屋は規模こそ街の精肉店だが、バックヤードには最新のソーセージやハムづくりのドイツ製機械をずらりと揃え、燻製や熟成などもお手のものである。
　本場のドイツ製法を学び、輸入した塩などを使った味は、現地と全く同じ味であり、味を知る人は驚くという。それもそのはず、伊勢屋はドイツ本国のソーセージ等の味を競う食品コンテストで見事金賞を受賞した実力店なのである。
　「こつこつと続けた努力が評価され、それが店の生き残りにもつながりました」と話す、代表の畑幸男さん。26年前頃、畑さんは店の売上が好調だったにも関わらず、そこに安寧せずにハム・ソーセージづくりに取組み始めた。それが今に繋がっているということだ。
　現在、店ではブランド牛などの精肉も扱うが、加工品の売上が6割を占めている。それにお客も「手を掛けずにすぐ食べられるもの」を求めている。伊勢屋は愚直に味を守り、そして肉の美味しさを世の中に伝えていく。

「かながわ商店街新聞平成25年9月号より」